キツネの基板の裏面

先日「キツネも歩くと光る・奏でる」というタイトルで、電子工作のワークショップをしました。

12名参加くださって、大人6名・子供6名ほどで、大人の3名は盲導犬を連れた方で、ワンちゃんも3匹、静かに参加してくれてました。

 

ワークショップの感想は別のところで書くとして、何名かの参加者のみなさんに不具合が出てしまいました。

見本でつくったものはうまく動いていて、何名かのみなさんはうまく動いていました。

どうも電源付近が怪しくて、電池ボックスをギュっと抑えるとうまく動くことがありました。

電源を入れて10秒ほど動いて、それから電池がなくなってきたような現象(スピーカがジジジジと鳴る)が起きました。

電池ボックスのバネが接触不良なのか、電池が古かったので電圧が足りないのか、ともかく電源周りの問題だなと。

 

その場で原因が特定できず、持ち帰らせていただいて、調べたところ原因がわかりましたのでここにメモしておきます。

 

電池のまわりが怪しい?

そう思って調べた順番と内容です。いろいろ調べていくうちに原因がわかりました。

 

1:電池の交換

まず、新品の電池で電圧も確認した電池に交換してみたところ、それでもうまくいきません。

電池は1つ3Vで、この電池ケースのなかで直列につながっているので6Vにはるはずです。電池が少し減ってるかもしれないので5〜6Vあると正常といえます。

電池ケースから出るケーブル間の電圧を計測すると、本来6Vのところ3V未満。別の電池ケースで確認すると5.5Vでした。

 

2:新しい電池ケースに新しい電池を入れて電圧を確認

電池ケースを組み立てる時に両面テープをつけたので、おさえすぎて変形したりしたのかなと思って、まだワークショップで使っていない予備の新しい電池ケースで電圧を調べてみました。それでも、電圧が3V未満のものがでてきました。

電池ケースのケーブルを切ったもの↑予備の電池ケース

 

3:電池ケースを分解

新しい電池ケース

↑買ったばかりの電池ケース

 

電池ケースのケーブルを切ったもの

↑今回のワークショップのために加工した電池ケース

 

ネジを取って分解した電池ケース

↑分解した電池ケース

 

買ったばかりの電池ケースを、はんだづけしやすいようにケーブルをカットし予備はんだをして準備しましたので、電池ケースの中に衝撃が伝わっておかしくなったのかと思って分解してみました。電池ケースにスイッチがついているので、その辺りが接触不良になったかもしれないと思いました。

 

開けてみるとちょっとあやしいところを見つけました。

プラスとマイナスがくっついてしまいそうな部品

 

なにが怪しいかというと、電池を入れた時にプラスとマイナスがくっつきそうになります。電池のプラスとマイナスがくっついてしまうと、電気エネルギーがループして熱に変わります。なので、電池のプラスとマイナスがくっついてはダメです。

ショートしそうな部品

 

ボタン電池をみてみると、よこの面はまだプラスがつづいています。

電池のプラス面とマイナス面

 

いま電池が入っていた場所の金具をもう一度みてみると、マイナスのマークがあります。つまり、この金具はプラスとつながってはダメなのです。

つながってはいけない部分がつながりそう

不具合のある電池ケースに電池を入れてみると、どうもこの金具でプラスとマイナスがくっついていたようです。

ワークショップ中に、電池ケースをギュッと押さえるとうまく動くことがありました。ギュッとすることでプラスとマイナスが離れたのだと思われます。

 

4:修理方法・カプトンテープを貼る様子

修理方法

電子工作でつかう、熱に強くて電気を流さないテープ(カプトンテープ)を使って、電池のプラスにくっつきそうな場所にテープを貼りました。セロテープでも有効ですが、擦れてしまうかもしれないので、もしセロテープの場合は2~3枚重ねて貼るとよいでしょう。

これで電池のプラスは金具にくっつくことがなくなります。電池を入れて電圧をみると、しっかり5~6Vの間になりました。

 

5:自分で修理する

電池ケースを取り外したり、ネジで分解したりしなくても、できる方法を考えてみました。

マスキングテープをショートしそうな部分に貼ってみる

キツネの基板についたままでよいので、電池ケースを大きく開きます。その奥に、セロテープかマスキングテープなど電気を流さない素材のテープを貼ります。フタ側に貼って、電池の入るほうは浮いた状態でOKです。

マスキングテープの貼り方

次にテープを貼ったほうに、電池をプラスが上になるように入れて、このとき電池で浮いたテープをギュッと押さえてあげます。

マスキングテープの貼り方

あとはもう一つの電池を、プラスが裏側になるよう(さっきの電池と逆の面)に入れて、電池ケースのフタを閉じれば完了です。

 

6:最後に

複数の分解した電池ケース

電池ケースを4つ分解してみたところ、左の2つは正常で、右の2つは不具合がありプラスとマイナスがくっつくものでした。ほんの少しだけ金具の位置が違うのがわかります。

今回ワークショップでつかった電池ケースは、はんだづけしやすいようにケーブルをカットしたりして私が加工したものです。ですので「新品のまま」とは言えませんが、この不具合は私の加工が原因ではないように思います。念の為お店に連絡してみようと思います。

 

参加してくれたのに、動かなくて残念な思い出になってしまってたら、ごめんなさいね。