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ごあいさつ

今回のワークショップのご参加ありがとうございます。

MATHRAXのワークショップはいつも学生さんを相手にコアな技術を紹介する内容が多いのですが、今回はできるだけ噛み砕いて、電子工作のハンダ付け体験から、レーザカッター工作、デザインまで楽しんでいただこうと思って考えました。

僕はもともと大学では油絵を学んでいたのですが、そのときから独学で電子工作を始めて、いまでは電子回路の仕事をするまでになってしまいました。。

現在は「アーティストやデザイナーのためのエンジニア」として、彼らのニュアンスを拾いながら表現の一部を電子回路的なアプローチでお手伝いするという仕事をしてます。

 

また今回は別の仕事で不在なのですが、いっしょにMATHRAXをやっている相方の坂本も大学ではビジュアルデザインを学んでいました。坂本はMATHRAXを客観的に見る役割で、おもにデザインを担当しています。技術的なことにはあまり詳しくないのですが、僕がついつい専門用語で説明しちゃうときなどに突っ込みいれてもらったりしつつ、逆にいい刺激になってます。

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photographer kenji kagawa

 

さて、みなさんにも少し自己紹介をしていただきつつ、2〜3グループになっていただきます。

道具やレーザーカットを使う時間を、うまくローテーションしていこうと思います。

 

どんなものを作るの?

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まず、どんなものを作るか?というイメージをしていだたくだめに、シンプルな見本を作ってきました。

今日みなさんにお配りする電子回路の基板は、僕がイラストレータで設計しました。坂本に装飾してもらっているのですが、小鳥のほうが地球で、ウサギのいるほうが月なんだそうです。

 

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このまるい基板には、電源のスイッチとは別にもう1つスイッチがあって、長押しすると(オレンジに2回光ります)いろんな光り方に切り替えることができます。

・黄色に点滅する(星のイメージ)
・白い色に点滅する(雪のイメージ)
・マゼンタ色にふわふわ明滅
・黄色にふわふわ明滅
・シアン色にふわふわ明滅
・レインボーに光る

※電源スイッチをオフにしてもこの光り方を覚えてくれます。

 

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そして、今回は何種類かのデザイン画をつくってきました。

クリスマス風に雪の結晶や、サンタ、星、などに加え、マスラックスの作品になった動物たちもいます。

みなさんには、この中から選んでいただいたものを、レーザーカット体験していただければと思ってます。

 

 

カットしたものと先ほどの電子回路の基板を組み合わせて、いろいろな色に光るオーナメントになります。

 

光る見本を置いておきますので、イメージを膨らませて選んでいただけるとうれしいです。

また、木の種類をいろいろ用意したので、同じデザイン画でも表情がかわると思います。

少しだけリボンと小さなパーツも用意したので、組み合わせを楽しんでいただければと思います。

 

本日の流れ

14:00〜 WSはじまり、ごあいさつなど

〜14:30 デザインを考える時間

 

14:30〜 部品と材料の配布、組立てる流れの説明などしつつ、組み立て。

みなさんに組立ててもらう間に、レーザーカット加工をします。

レーザーカットできた順にさらに組み立てます。

主に、木をボンドで貼付けます。

 

〜16:00 様子をみつつ仕上げ作業へ

主に、木にやすりがけをします。

お好きなリボンやパーツを選んでつけてもOKです。

 

〜17:00 みなさん完成の予定

17:30 記念撮影

17:45 片付けつつ、おしまい。

 

作業工程

1.組立てる前に

2.配布するものを紹介

3.電子基板をハンダ付け!

4.電子基板を、透明アクリルにネジ止めする(4層目)

5.六角形の穴の木のほうに、金属ナットを埋め込む(2層目)

6.木を貼り合わせ(2〜3層目)

7.レーザーカットした木の板に乳白アクリルをはめ込む(1層目)

8.1層目と、2〜4層目を、木工用ボンドで貼付け

9.仕上げ

10.完成〜!

 

 

1.組立てる前に

組立てる前に、なにをするのか先に説明しておきますね。

今回のWSでは、透明アクリル板(2mm)と乳白アクリル板(5mm)、木の板(5mm)をつかいます。

オーナメントは4層構造になっています。

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水色の部分がアクリルで、黄色の部分が木です。

  • 1層目・・・乳白アクリル(5mm)+木 ※デザイン画で選んでいただく部分
  • 2層目・・・木にナットの六角形の穴があいたもの
  • 3層目・・・木にネジの丸い穴があいたもの
  • 4層目・・・透明アクリル板(電子回路の基板を取り付けます)

 

木の層が3層ありますが、1層目はレーザーカットしたデザインを楽しむ目的。

2層目と3層目には、六角形のナットを埋め込む目的があります。

2層目と3層目が似ていますので、違いに注意してください。

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2.配布するものを紹介 ※細かいパーツなので随時配布します

・電子回路の基板(半分組み立ててあります)
・電池ホルダー
・電池

・プラスチックのネジ・・・・・・・・・・4層目の透明アクリルと基板の固定に使います
・プラスチックのナット(六角形のやつ)

・金属のネジ・・・・・・・・・・・・・・木と透明アクリルを固定するために使います
・金属のナット(六角形のやつ)

・レーザーカットした材料(透明アクリルと、木が2種類)

 

 3.電子基板をハンダ付け!

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さっそくみんなでハンダ付けをします。

電子回路の基板には、「電池ホルダー」をハンダ付けします。

ウサギがいるほうから、電池ホルダーを差し込んで、小鳥のいるほうでハンダ付けをします。

電池ホルダーに隠れてウサギが見えなくなってしまうので、じっくり見ておきましょう。

 

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写真

ハンダづけは、溶けたハンダがかたまったときに、表面張力で富士山みたいになるのがイイです。

ジャガイモとかシュークリームみたいになると、くっついているように見えるけど、うまく電気が流れないことがあります。

電子工作用ハンダには、「ヤニ」というものが入ってるので、部品や基板になじみながらハンダが溶けてくれますが、ヤニがなければ、部品や基板をはじいて、コロコロ転がってしまいます。昔「ハンダ」と「ヤニ」は別売りだったんですが、最近は、よーく見るとハンダが筒状になっていて中心にヤニが入っています。

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できあがったら電池を取り付けて、光らせて動作確認してみましょう。

光らせっぱなしだと、最後まで電池が持たないかも知れないので(3〜4時間は持ちます)こまめにオフにしたほうがいいかもしれません。

 

4.電子基板を、透明アクリルにネジ止めする(4層目)

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では次に、電子回路の基板を、透明アクリルにネジ止めします。

自分でも間違ってしまったんで(汗)、ゆっくり見せながら説明しますね。

 

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電子基板を机において、その上から透明アクリルを重ねます。

 

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ネジは透明なものを用意しました。

白い基板とか、透明なアクリルがきれいに見えるのと同時に、基板に触れる部分が電気を流さない理由があります。

 

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透明アクリルのほうから、ネジを差し込みます。

 

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裏側で「ナット」をとりつけます。

これで4層構造の4層目ができました。

 

 

5.六角形の穴の木のほうに、金属ナットを埋め込む(2層目)

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金属の「ナット」を埋め込みます。

木にネジをしめるときは「木ネジ」という先の尖ったネジをぐいぐい入れていく方法もあります。ですが、うっかりネジを締めすぎたりすると、木に刻まれたネジ山がつぶれてしまって、空回りしてしまいます。そこで「ナット」を埋め込んでいます。

ずっと前にお仕事で、メーカーがプロトタイプをつくってるところを見たり、ある程度コストをかけてあるプロダクトを見ると、こんな工夫があったりします。

 

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木の厚みが5mmで、ナットの厚みが2.5mm弱なので、1つの穴に、ナットを2つずつ埋め込みましょう。

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こんな感じになります。

 

6.木を貼り合わせ(2〜3層目)

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透明アクリルと基板はそのまま置いておいて、次は木を貼り合わせます。

4層構造の2〜3層目の作業です。

先ほど「ナット」を埋め込んだ板(六角形の穴のあいた板)と、丸い穴のあいた板を準備します。

その2枚を、木工用ボンドで貼り合わせてください。

貼った後にギュッと手で押さえて、余分なボンドを拭き取ります。

 

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ピッタリくっつけるには、一般的にはオモリをのせたりするのですが、今回はネジとナットをうまくつかってギュっと抑えます。

 

 

 

7.レーザーカットした木の板に乳白アクリルをはめ込む(1層目)

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デザイン画を選んでカットしてもらった木と乳白アクリルで、1層目にとりかかります。

乳白アクリル板できりだしたかたちが、木の板にはめ込めるようになっているのですが、無理にぐいぐい押すと割れるかも知れないので、そっと均等に力がかかるようはめ込んでください。

 

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スポスポになるようでしたら、裏面になるほうから接着剤の「X2」で接着します。

 

8.1層目と、2〜4層目を、木工用ボンドで貼付け

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LEDを光らせたときに、1層目の乳白アクリルに、2〜3層目の木の突起が影になるかもしれません。

そのときは、1層目を45度回転させてください。

 

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ここまできたら、ほぼ完成です。あとは思い思いに仕上げる作業になります。

 

 

9.仕上げ

 

紙ヤスリで仕上げると、肌触りがよくなったり、レーザーカットしたときの焦げを落とすことができます。

焦げたほうがカッコイイ!と思う方はそのままでもいいでしょう。

 

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つや出しのオイルを持って来たので、紙ヤスリで磨いたあとに塗ってみてください。

少しだけつけて、刷り込むのがコツです。あまりたっぷり塗るとベトベトになってしまいます。

このオイルは「リボス」という会社のオイルで、木によく染み込んでくれて、木の呼吸を妨げないで汚れを防ぐ膜をつくってくれます。「自然健康塗料」としてもオススメの塗料です。

 

parts

もう少しアレンジしたい方は、リボンや小さなパーツを、お好みでどうぞ。

リボンや結んだりして、小さなパーツは「X2」というなんでもくっつけるボンドを用意したので、好きなところに貼って下さい。

 

 

10.完成〜!

おつかれさまでした。

 

最後に、昨日の夜遅くまでレーザー加工していただいたスタッフのみなさんに感謝申し上げます!