JR「国立駅」北口から、立川方面に徒歩3分。
古道具や生活雑貨のお店が集まる一画があります。
今回、素敵なご縁があって
こちらにお店を構える古道具屋「kodouguya」さんのwebサイト制作のお手伝いさせていただきました。
生活道具から玩具、照明、家具まで様々なものが並ぶ店内
kodouguyaさんは、古道具の販売、買取、修理を行っているお店です。
私がはじめてお店に伺った日、kodouguyaさんご夫婦はこんなお話をしてくださいました。
「時代と供に愛されてきた古き良品を 現代の暮らしにも役立ててもらいたい。
普段づかいできる古道具とともに 日常を豊かに そして贅沢に感じてもらえたら嬉しい」…と。
MATHRAXも普段からものづくりに携わるなか、
自分たちの暮らしに関わる「もの」や「道具」についてじっくり考えてみたいと思っていた矢先のことでした。
私も古道具のことについてもう少しよく知りたいな…と思うようになり、
店主のお話を聞いたり、修理を担当している職人さんに会ったり、
打ち合わせのたびに、心奪われる素敵な古道具を買って帰ったりしました。
そのうち、この「kodouguya」さんは、
作り手が「もの」に託したものを受けとめ、次の人へ引き継ぐ人たちなんだなあ…
と思うようになりました。
ものが生まれ、そして人に渡るまでにはたくさんの経緯があり、
今ここに現存しているのにも何か由縁があってのこと。
ここは、ものや道具たちの中継地点でありターミナルだったのか…と感慨深く思ったことを覚えています。
古道具の中には、作り手の技術や思いによって、
自ら引き継がれる力を備えているものもあると言います。
(まるで生命が宿っているかのよう。面白いですね…)
ただ、惜しくもこの世から失われてしまうものも少なくないそうです。
昔は愛用していたけれど、今は持て余しているので誰かに引き継ぎたい、
そのようなものがあれば、kodouguyaさんが買取をしてくれるそうですよ。
ご入用の際はぜひお声掛けしてみてください。
誰かがその出会いを待っているかもしれません…^^
古道具の修理も、使われていた時の良さをそのものに、
時代を落とさず、最大限に生かす方法を探ってくれます。
先日、職人さんにもお会いしてお話を伺ったのですが、
ものが作られた当時の様子を想像しながら、使い勝手をよくしていく修理を行うということは
ある意味、相反する作業を同時に行わなければならず、
知識やバランス感覚を必要とする難しい作業です。
その難しさをあえて承知で、
オリジナルには手を加えず、作り手の意図を汲みながら、
どこまでもものに謙虚に接する職人さんの様子には、本当にあたたかさと頼もしさが感じられるのです。
今は亡き作り手にとっても、きっと有り難いことなのではないでしょうか…。
お店に並んでいるものは、購入後にすぐ使えるよう手入れされたもの
質感、微細なニュアンスまでこだわるために研磨用のバフも手作り
お打ち合わせに行った帰りに、いつも感じるこの幸福感は何だろう…?と思っていました。
ご夫婦のお人柄はもちろんのこと、
大事にされている古道具たちの生命感のようなものを感じるからでしょうか…。
ものひとつとっても、その背景には、ものと人、環境、時代など複雑なつながりがあります。
その複雑さが、このお店に来るととても心地よく、生き生きとして感じられるのは不思議です。
この複雑さは、私たちのものづくりにも多いに関係することですし、
人がより健やかに暮らして行くうえでも欠かせない意味を持つような気がしています。
国立の近くへお越しの際は、ぜひkodouguyaさんへお立ち寄りください。
古道具屋って入りづらいのかな?と思っている方もご心配なく…。
気になるものがあれば、店主の鈴木さんに尋ねてお話してみることをおすすめします!
素敵な出会いとタイムスリップをぜひ楽しんでください!
photo KENJI KAGAWA
今までいろいろなお仕事をしてきた中で「古道具」を撮るのが一番難しかった…!と言っていた
PhotographerのKENJI KAGAWAにも多大なる感謝を!
MATHRAX