とてもとても遅くなってしまいましたが、昨年12月14日にFabCafeにて行われた、
渋谷アートファクトリー計画 「Fabスターターズ ガイド」講評会の様子をお伝えします。
この講座は、東京の多様な魅力を地域・市民の参画により創造・発信することを目指す
東京文化発信プロジェクト事業「東京アートポイント計画」の一環として、
渋谷FabCafeをアートファクトリーとして、
様々なクリエイターへあたらしい「道具」と出会いの場を提供するゼミ形式の講座でした。
今現在、創作活動においても自由度や速度、
他の分野とのコミュニケーション性が向上するシステム作りが求められている中、
様々な講師が毎回違うテーマで構成する全8回のゼミは、
多くの人にとって貴重な体験とつながりができる時間だったのではないかと思います。
講評会は、私たち講師にとっても本当に充実した時間になりました。
講評会は、FabCafeのビルの10Fのスペースにて。
15名のゼミ生の方が8ゼミ分の作品を展示してくれました。
第5回目のゼミのMATHRAXのテーマは「灯りとわたしとインタラクション」。
各グループがセンサーをどのように使用し、どのような状況とインタラクションを設定するかが肝でした。
▲FabCafeのソファのクッションによりかかると後ろの壁の花が咲いたり…
残念ながら途中から講評に集中しすぎてしまい、すっかり記録写真を撮り損ねてしまいました。
只今皆さんの記録をまとめたものを制作中とのこと。ぜひ追って紹介させていただければと思います!
今回、皆さんがこのテーマを自分に引き寄せてアウトプットしてくださったこと自体に、
どこかえも言われぬ暖かみがあったな…と思い返しています。
皆さんの光やセンサとの関わり合い方を見ていて、
一人一人のものづくりに対する丁寧さ、真摯さが一番じわ〜っと響いてきたのだと思います。
私たちも、もっと電子工作やプログラム、ものづくりの面白さをお伝え出来るよう、
素材に限らず考え方も感じ方も、こねたり噛み砕いたりしてみようと思いました。
皆さんが体当たりしてくれた素材との対話は(もちろん素材だけではありませんが)、
「作る」ということへの考え方の宝庫だったように思います。
今回の成果が、今後へのつながるのを期待するばかりです。
他の回の講座も、私たちも参加したかった〜!と思うくらい面白い内容でしたよ。
各回のレポートもぜひご覧ください!
渋谷アートファクトリー計画「Fabスターターズガイド」レポートをまとめたページ
さて、以前お知らせした、第3回目の講座「心のスイッチを切り替える時のインテリアアイテム」の講師、
土橋先生との共同作品は、バルカナイズドファイバーと布と電子回路とLEDを使った
クラッチバッグ型のリマインダーになりました。
これは、別の場所にあるタイマーをセットしておくと、
時間になった時にバッグにとまっている蝶が光って教えてくれるというもの。
一枚のバルカナイズドファイバーにレーザーカッターでスリットを作り、
水をしみ込ませてファイバーを折り、バッグの底を作ったり、蝶の羽根を立ち上げたりして形を固定。
家具に貼られる丈夫な布を長く切り、織り込んでバッグにしています。
制作の様子はこちらから!
▲こちらは紙とクリアファイルで小さめに作った試作。素材が別のものになるとまた違った雰囲気に…。
▲このお皿形のものもバルカナイズドファイバーを繊維状に切って巻いたもの。
自分では考えもつかないことを一緒に作っていけるのは共同制作の醍醐味ですね。
ゼミ生の方を盛り上げようと、素敵なアイデアを持って私たちにお声掛け下さった土橋先生、
貴重な機会をありがとうございました!
ものづくりの「やってみたい!やろう!じゃあ次はもっとこういうことをやってみようか?」という
「つくりたい!」の気持ちを汲んでるださる場があることって本当にありがたいことですよね。
昨年、海外のものづくりやFab事情の視察に行かせていただいたのですが、
日本人は日常的に、素でものづくりが好きな人が多いんだなあ…と実感しました。
気候や文化、人々の気質、社会的なこと、いろいろな要素があるのはもちろんなのでしょうが、
本当のところの理由はよく分かりません。。
でも、人が何をいいものを作ろうと考えている時の顔を見ていると、
何かいい風がふいているような気持ち良さを感じることは事実です。
今年も、いい風が吹く素敵な年になりますように!
MATHRAX