2019年の9月から10月にかけて宮城県大崎市立古川南中学校にて、今年卒業する3年生と一緒に卒業制作「ひかりのこびん」を制作してきました。その様子をご紹介いたします。
 
 
2018年の様子はこちらに紹介しています。
宮城県大崎市立古川南中学校の卒業制作2018「ひかりのこびん」

 
 

ひかりのこびん

卒業制作「ひかりのこびん」は、生徒たちの「記憶の中の光」の印象、色、質感を詰め込んだ作品です。

こびんの側にあるアイテムは、その記憶を蘇らせるためのトリガー。
そのアイテムをこびんのフタに近づけると、生徒たちの記憶の中の光が灯ります。
 
(↓映像は今年のものに差し替えます)

 

思い出を蘇らせるトリガーになるキーアイテムをこびんに近づけると…

キーアイテムをこびんに近づけると…

記憶の光が灯ります

各々の記憶の光が灯ります

 
 
今年は、また新たなチャレンジを加え、
テレビやエアコンなどの電化製品のリモコンのボタンを押すと
こびんの光がさらに増えて、光り方も変化するというような機能も追加しました。

生徒の皆さんには、テーマである自分の記憶の中にもっと近づき、
外部からの別トリガーを受けることで、そこに動的な光の変化を作ることに挑戦してもらいました。
 

文化祭での展示の様子

家庭にあるごく普通のリモコンでこびんの光が変化します

 
 

制作|記憶の中の光を思い起こす

今年も、自分の印象にのこっている記憶、忘れられない記憶、心の中に残しておきたい記憶を思い浮かべ、
その時の光はどのような様子だったのか、思いを巡らせてみることから始めました。

制作したい記憶が思い浮かんでも、それを形にするのはなかなか難しいもの。
材料になりそうな物をひとまずたくさん持ってきてはくれたけれど、
イメージと材料が結びつかず、どうしたらよいか迷っている子もいました。

風景としての光、情景としての光、体験としての光、感情としての光。
様々な切り口がある中、その光の様子を思い出して描写したり言葉にしてみたり、
時には疑いながら、少しずつ近づいてみます。

 


 
今年の電子回路は、昨年とはまた少し機能を変えて、
赤外線にも反応する仕組みにしてみたり、電池を取り替えやすく改良してみました。
昨年、フルカラーでグラデーションしていたLEDはすべて白色に。
こびんの光の色を生徒それぞれの色にしてもらいたいと考えました。
 

校章をしつらえたオリジナル基板とこびん

 
 

作品の紹介

今年も171名分の作品すべてをこちらのページに掲載できないのが残念なのですが、
素敵な作品をご紹介します。

(展示中は、こびんとキーアイテムが離ればなれにならないよう紐でつないでいます)

 

さざ波のようなマチエールが心情のよう

 

LEDのクリアな光と和紙がお互いに引き立てあっていた作品

 

質感とあたたかさはつながっていると気づかせてくれる

 

修学旅行で見たミュージカルのCATSに感動して

 

「憧れ」という概念を表現したもの.自分もいつか憧れられる人を目指して

 

昔住んでいた香港の光を思い出して

 

自分の「好き」の光をつめこんだ作品

 

水中メガネをかけてこびんを覗くと光るしくみが秀逸。こびんに目がついているよう

 

貝の並びや、光の雰囲気に静謐さを感じる繊細な作品

 

まるで本物の線香花火を思わせる作品。こびんの中で揺れるように工夫されている

 

勉強している時、ある問題が「分かった!」瞬間に見えた光

 

ファンタジーなのに「冷たい光」を扱うところに物語がありそう

 

水泳の時に見た水面のゆらめきが見えるよう

 

あえてこびんに物をつめずに明快に光を再現した作品

 
 

MATHRAX「ひかりのミナモ -星-」も一緒に

 
 
今年の卒業制作でも、生徒の皆さんには「記憶の中の光」を思い起こして形にしてもらい、
アイテムを使ってその光を蘇らせることのできる「装置」としての作品を作ってもらいました。

今年はさらに、展示を見にきてくれた人たちのリモコン操作を外部トリガーとして
自分の記憶の光に変化を起こす客観の目線も取り入れてみました。

会場にいた私たちも、こびんを覗き込んだ来場者の方々の驚きを何度も目の当たりにしたのですが、
生徒の皆さんがある感覚を思い出し、味わい、深く潜って掴んだ世界観は、
たくさんの人に感動をもたらしていました。

「ひかりのこびん」に限らず、これまでに時間をかけて皆さんが丁寧に取り組んできたことは、
一つ残らず自身の力になってくれると、私たちは疑いなく言い切れるでしょう。

卒業までまだ少し時間がありますが、ぜひ1日1日を大事に過ごしてくださいね。
素敵な時間をご一緒させていただき、ありがとうございました!

 
 
 
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開催 宮城県大崎市立古川南中学校
協力 古川ユースウェアサービス株式会社(公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団)
 
この場を借りて、古川南中学校の先生方、美術ご担当の大坂先生、
彫刻の森芸術文化財団の関さんに御礼申し上げます。
 
 
MATHRAX