友人の作曲家・宮内康乃氏が、国際交流基金のアジア・フェローシッププログラムにおいて、東南アジア4ヵ国を旅しながら音楽と芸能をリサーチする旅に出ています。タイ北部のチェンマイにその様子を撮影しに行った際の様子を少しだけご紹介いたします。
宮内氏は、現代聲明曲をはじめ、映画、ダンス、舞台などの幅広い作曲活動や、
パフォーマンスグループ「つむぎね」の主宰、
誰でも参加できる「声」を使ったワークショップなどを行いながら、国内外で活躍されています。
今回、彼女が以前からワークショップをしたいと願っていたこの「ホシハナヴィレッジ」という場所での子供達とのワークショップが実現し、私も同行させていただくことになりました。
チェンマイ郊外のリゾートコテージ・ホシハナヴィレッジ
もしかすると写真の風景に見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。
2009年に公開された映画「プール」(監督:大森美香、主演:小林聡美)の舞台にもなっている場所なのです。
朝、空港についてすぐに知らない風景が広がっている上に、映画で見た風景が目の前にある不思議!
まだ夢を見ているような気分でしたが、ゆったりとした時間が流れている、とても気持ちの良い場所でした。
作曲家・宮内康乃氏
ワークショップは東屋風のオープンスペース「sala」にて
以前から、この世の中に音楽のある意味って何だろう?と考え続けている宮内氏。
作曲家というと、音を組み合わせて音楽を作ることを生業にしているようにも思えますが、
今回の旅の中で彼女は、その問いを紐解くための手がかりや片鱗を少しずつ集めているようにも見えました。
たしかに子供達が楽しそうに声を発しながら、笑いあっていたり、
耳をそばだてながら周囲の様子に応じている様子を見ていると、
今、その瞬間に皆で共有しているものこそが、音楽の源泉なのかもしれないとも感じます。
子供達に、どこか優しい感じのするタイ語でたくさん話しかけてもらいながら、
私たちも子供達と一緒にワークショップに参加させてもらい、
気づけば、はじめてこの場所に来たとは思えないくらいほっこりとした気分になっていました。
ワークショップで逐次通訳をしてくださったバーンロムサイのスタッフの山下曜子さんが
写真日記でもその様子を紹介してくださっています。
ぜひご覧ください。
▶︎ バーンロムサイ|声を使った不思議なワークショップ
▶︎ バーンロムサイ〈banromsai〉Facebookページ
バーンロムサイを設立された名取美和さんと宮内氏
バーンロムサイはタイ語で「ガジュマルの木の下の家」という意味だそう
このホシハナヴィレッジは、1999年に名取美和さんが、HIVに母子感染した孤児たちのホームとして設立した「バーンロムサイ」という生活施設の運営を支援するためにできた宿泊施設なのだそうです。
宿泊することはもちろん、施設内には地元の方の手作りの衣類や雑貨が購入できるホシハナショップも併設されており、ここでのお買い物も子供たちへの支援になるとのこと。
ちなみに宮内氏が着ている生成りのワンピースもこちらの施設内の縫製場で作られたプロダクトだそうで、
とても気持ち良さそうな生地と、優しい風合いが印象的でした。
ホシハナヴィレッジでのランチはタイ北部の味「タイヤイ麺」
タイ北部の民族の方の手作りの銀細工のブレスレット.子供達の絵によるポストカードも
宮内氏の東南アジアの旅は秋ころまで続くそうですが、この旅が今後の活動にどのようにつながっていくのか、とても楽しみです。(いつも素晴らしい機会に、ご一緒させていただき感謝!)
また、バーンロムサイの名取美和さん、美穂さん、山下曜子さん、スタッフの皆さん、猫の皆さん、
突然のお伺いにもかかわらず、あたたかく迎え入れてくださり、ありがとうございました。
この場をかりて御礼申し上げます。
またチェンマイに行ける機会があれば、ぜひ子供達や皆さんに会いに伺いたいと思っています。
MATHRAX mrk