8月21日(水)〜27日(火)に渡って横浜で行われる「第9回世界ファブラボ代表者会議」に、富士通株式会社さんとコラボレーションしたMATHRAXの作品「Tree-ring records」が展示されます。
今、富士通さんでは、世代や地域を超えたコンピューターの活用を通して、人と人、人とモノを結ぶ
コミュニケーションを考えるICT(Information and Communication Technology)を利用した
フィールドリサーチを進めているそうです。
例えば、ワイナリーの温度を監視するシステムや、特別保護動物の監視、放牧牛の位置を管理したりと、
実際に農家や酪農の方と一緒にシステムの実験を重ねているとのこと。
今回はそのリサーチの一つ、岐阜県の林業プロジェクトとのリサーチを進める中で、
国産材を使ったプロダクトを提案することになり、
MATHRAXとのコラボレーションを依頼してくださいました。
なお今回のイベントでは、会議参加者の方に向けて、数量限定で制作できるようにしています。
※こちらのブースは、シンポジウムにお申し込みを頂き、ご登録をいただいた方のみ
ご覧になることができるそうです。
Tree-ring records
作品「Tree-ring records」は、”木の年輪が奏でるオルゴール”というテーマで制作しました。
岐阜県産のヒノキの年輪から音楽を生成し、
そのヒノキで作られた枡に電子回路を入れて持ち歩けるようにしています。
▲筐体には岐阜県で生産されている枡を使用。
その木の時間と記録
私たちも木の作品を作るようになってから関心を持ち始めたことなのですが、
年輪はその木の成長の記録であり、さまざまな模様を残しています。
元気にすくすくと育った季節もあれば、枯れそうになりながらようやく持ちこたえた時代、
そんな情報がそのまま刻まれています。
これは、天候によったり、虫などの外的要因によったり、ふたつとして同じ模様はありません。
▲枡を作る際に削られた木にも美しい年輪
年輪の変化を音に
そんな木の記録を、レコードに見立てて音楽を生成し、電子回路で音を奏でます。
▲丸太の年輪の写真を回転させて細かい色の変化を音に変換するプログラム
▲変化した音の情報を数値に書き出してオルゴール内のマイコンに書き込みます
▲電池プラグをさすと木の断面一周分の音楽が奏でられます
実際に音を奏でている映像はこちらです。
作り方の紹介はLabページへどうぞ。
・[technology] …回路図、基板、参考URL
・[hand soldering] …電子基板のはんだ付けの仕方
・[Assemble] …枡への組み込み方
MATHRAX