3月下旬、アメリカの電子回路の産業展「IPC APEX EXPO」への訪問、
そして「はんだ付け世界大会」に出場するためにラスベガスへ行ってきました。

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砂漠の中のオアシスに作られたラスベガスは、街全体がエンターテイメントそのもの。
カジノをはじめ、たくさんのショースペースがあったり、
ホテルのアトラクション(噴水のショーや火山が火をふいたり!)が数十分毎に行われていたりと
日夜休む様子がありませんでした。

また、大規模展覧会や見本市を行うコンベンションセンターも多く
今回、訪れたEXPOもマンダレイベイというホテル内の施設で行われていました。

朝も夜もカジノ内を通って会場に向かうのは、とっても不思議な気分でした…^^;

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そもそも今回の旅のきっかけは、
昨年ひょんなことで参加する事になった「はんだ付けコンテスト」でした。

私たちはそんなコンテストがあること自体にびっくりしたものですが、
昨年、JPCA show 2013(第43回国際電子回路産業展)で行なわれていた
日本のはんだ付けコンテストで優勝し、世界大会の出場権をいただいたのでした。

 
かたや精密な機器やロボットが開発され、すばらしい技術の展覧会が行われている中、
このように人の技を磨いて競う場があるということ。
この観点にはとても共感を持ちます。

私たちも「はんだ付け」の詳しい事については
コンテスト後に勉強して知った事が多いのですが、入り込むと本当に奥深いのです…!!

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はんだ付けの世界大会には、総勢11名の各国チャンピオン達が集まりました。
やはり世界は広く、強豪たちばかり!
静かに白熱した戦いに、見ているこちらが緊張しました…!(笑)

今回、私たちは残念ながら上位3位の入賞は逃してしまいましたが、
MATHRAXの毎年の恒例イベントにして、ぜひまたチャレンジしたいなあ…!と思いました。

優勝者はアメリカ、2位は中国、3位はベトナムの方!
Congratulations!!:-)

また、大会前、至れり尽くせりで自社製品の説明してくださった
はんだごてメーカーのJBCの方々、
今回の旅のスポンサーとなってくださった株式会社ジャパンユニックスの方、
コンテスト主催のIPCの方々、
そして応援してくださった皆様に心より感謝いたします!
 
 
 

…補足…

以下、もし日本でこのコンペを受けてみたい方、学生さんがいれば…の補足です。

普段、私たちが電子工作ワークショップを行う際は、
初心者の方でも比較的簡単に金属同士の接合が行えるよう
「鉛」入りのはんだを使っています。

鉛は食物などにもごく微量に含まれている金属ではありますが、
量によっては人体、環境に有害な影響を与える物質でもあります。

そのため近年では、RoHS(ローズ)という有害物質の規制により、
産業界では鉛フリーのはんだが使用されるようになってきました。

このコンペでは、鉛フリーのはんだを使用しなければならず、
吸い取り線などの修正道具も使用できません。

鉛フリーのはんだは、鉛が含まれているはんだより高熱でなければ溶けず、
粘度が強いため、いつも私たちが紹介しているような
富士山型のはんだにするには、かなりの練習やコツがいります。
(質感も鉛入りとは違って、ツヤもなくざらっとした感じです。)

鉛の代わりに銀が含まれている鉛フリーはんだは、少しコストがかかったり、
道具の管理にも知識が必要になりますが、
興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか!?

……

 
 
本日、IPC(Association Connecting Electronics Industries)の副社長、
Davidさんより、We are very happy that you came and participated in
the global competition.とのメールを頂きました。

私たちも今回、産業技術の動向を垣間みれたことはとてもよい経験でしたし、
本当にたくさんの方と関わり合うことができました。
きっとこの新技術とアートのコラボレーションも生まれるでしょう。
これからの可能性に想いを馳せる旅になりました。

21「次もがんばる!」反省会の様子。

 
その他のラスベガスの写真はこちらからどうぞ。
 

MATHRAX