2020年11月21日(土)- 22日(日)、千葉県松戸市にて開催された科学、芸術、自然をつなぐ国際フェスティバル「科学と芸術の丘 2020」の会場の様子をご紹介します。
MATHRAXは、昨年にひきつづきデザインを担当させていただき、今年はアーティストとしても「いしのこえ」を展示をさせていただきました。
photo: Ayami Kawashima
特別展示|MATHRAX|いしのこえ / Voice of the stone
アーティストトーク|MATHRAX
「いしのこえ」は、石を題材にした触れるインスタレーション作品です。
「石の声を聴く」というネイティブアメリカンの知恵と技術をインスピレーションに制作したもので、現代における石との対話について思索したものです。
「いしのこえ」に触れることによって感じられる現象はシンプルで、その解釈も自由です。だからこそ、体験者の今までの経験や記憶をゆさぶり、新たな世界観を喚起してくれているように思います。そして時折、私たちも会場で体験者の方々の様子を見ているとこう思うことがあります。
人々は、石に触れる体験を通して「体験者それぞれの志向する世界」にたどり着こうとしているのではないかと。それは、時代、各々の身体感覚、環境によっても変わってくるもので、どこかその人が生きている、ということに直結しているもの。人のその深層的な心の動きや、感受性と想像力のサイクルが、何を目指して動き出そうとしているのか。石はそのことを示唆し、もしかするとフェスティバルにもかかげられた問いを解くヒントにもなってくれるかもしれません。
今回の展示も、たくさんの人が来場してくれましたが、
何度も触れに来てくれる方、しくみを質問してくれる方、人と石についての本を私たちに教えてくれる方、石にまつわる自分の昔の話をしてくれる方、新しい触れ方を編み出す方、音の違いに聴き入る方、石をニコニコしながら舐める赤ちゃんなど、常にわきあいあいとした空気に包まれていました。
私たちも久々にたくさんの人に会いましたが、皆で体験し、共に話すことの嬉しさ、楽しさ、尊さをあらためて感じる時間でした。
特別展示|三原聡一郎|想像上の修辞法/Imaginary rhetoric
アーティストトーク|三原聡一郎
聞き手:吉田尚弘(共同ディレクター)
特別展示|Olga Kisseleva/オルガ・キセレバ|GHOST FOREST/ゴースト・フォレスト
アーティストトーク|Olga Kisseleva
聞き手:関口智子(共同ディレクター)
CQC(Creative Question Challenge)トーク〈学生〉
パネリスト
齋藤帆奈(東京大学大学院情報学環 学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程2年)
川本亮(東京大学医学部医学科4年)
澤田勝生(千葉大学大学院園芸学研究科園芸科学コース 生物生産環境学領域 修士課程1年)
カタリスト
高田玲奈(東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース 多文化共生統合人間学プログラム 修士課程2年)
ヴィジュアライザー
杉山裕太郎(武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科3年)
CQCトーク〈プロフェッショナル〉
パネリスト
伊藤純一(松戸市教育長)
小川絵美子(Prix Ars Electronica 代表)
カタリスト
清水陽子(Ars Electronica Futuerlab リサーチャー)
ヴィジュアライザー
高田玲奈(東京大学大学院総合文化研究科)
アウトドアワークショップ
科学と芸術の丘探検隊|千葉大学園芸学部 野村昌史研究室
プログラミングワークショップ
スマホで学べるプログラミングワークショップ・easel|田所淳
会場の様子
松戸市長の本郷谷健次氏、アルスエレクトロニカ総合芸術監督のゲルフリート・シュトッカー 氏の基調講演
ガイデッドツアーの打ち合わせの様子
2019年に作品を出展されていたアーティストの市原えつこさんも来場
このフェスティバルは、毎年、松戸市とイーストリア・リンツのアルスエレクトロニカ、そして来場者の方々が共に未来への問いを探求していくことで、毎年、新たな発見を生んでいます。
今年は、新型コロナウイルスの影響で、数々のイベントが自粛・中止となるなか、松戸市の方も企画・運営スタッフの方も今回のフェスティバルの開催に向けて尽力くださいました。
この場を借りて御礼申し上げます。
企画・運営スタッフも、作品をアテンドしてくださるイベントスタッフの方々も素敵な方ばかり。このつながりが来年以降も続いていきますようにと願うばかりです。
MATHRAX