2019年の夏に茅ヶ崎市美術館にて開催された展覧会「美術館まで(から)つづく道」。展覧会に至るまでのリサーチとして茅ヶ崎でのフィールドワークを行った様子を紹介しています。


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2018年7月29日の第四回目は、車椅子ユーザーの和久井真糸さんと共に、茅ヶ崎市美術館から海までを歩きました。表現者は、アーティストであり理化学研究所 脳神経科学研究センターの研究員でもあるアーサー・ファンさんです。私たちはアクティブな和久井さんに驚くことばかり。夏祭りのような1日でした。

フィールドワークやワークショップの様子は、茅ヶ崎市美術館のブログでも詳しく紹介されていますので、ぜひそちらもご覧ください。(記事の下にリンクを記載しています)

photo: kenji kagawa

アーティストのアーサー・ファンさん(左)と車椅子ユーザーの和久井真糸さん(右)

アーティストのアーサー・ファンさんと車椅子ユーザーの和久井真糸さん

和久井さんは車椅子の高さの目線で風景を楽しんでいる
そして様々なものに触れながら道を進む

和久井さんとアーサーさんと美術館を出発
車椅子の和久井さんの目線になって歩いてみる一同
車椅子から手を伸ばし植物にふれるのが好きな和久井さん

和久井さんの目線になるとアーサーさんの背がどんどん小さくなってくる

変わった塀の凹みに入り込むアーサーさん
公園の車両進入防止ゲートを車椅子で楽しむ和久井さん

自転車用のスロープを降りるのもゲーム感覚!

歩道橋を渡ったら海がすぐそこ
あえて自転車用の細いスロープを降りて楽しむ和久井さん
ヒヤヒヤする一同と少年のように楽しそうな和久井さん
茅ヶ崎海岸を歩く一同
笑顔の和久井さん

砂浜を行く車椅子が新鮮すぎて…
海の家「山田屋」さんも大歓迎!

砂浜の走行にチャレンジする和久井さん
入ってもいいですか?という和久井さんに大歓迎の様子の海の家の山田屋さん
入口のウッドデッキに車椅子ごと引き上げてくれる皆さん
美味しそうなかき氷を注文
和久井さんは車椅子から降りて座敷へ
地下道の壁に飾られている小学生たちの手形に手をあてる和久井さん
湘南 ル・ショコラ・ブンゾーに立ち寄る一同。スロープが嬉しい。
アーサーさんが美容室の壁にある小さなドアを発見。開けると「夏ですね」と挨拶するカエルが出てくる。
駅の近くの琉球ホルモン「ポークマン」。スーパーボールすくいが100円
和久井さんの車椅子にもちょうどよい高さのスーパーボールすくい。

軽食や飲み物を買って美術館へ

北村牛肉店で軽食を購入する和久井さん。入口にスロープ。
海の家でもらったうちわをかざして道路を渡る和久井さん。

標識のポールと塀の間をギリギリすり抜けてみる遊び心も忘れない

標識のポールと塀の間をすり抜けられるか挑戦
一同もそれに続く。
伸縮タイプの棒を取り出す和久井さん。
自動販売機のボタンを押すときにはこの棒を使う。

フィールドワークの気づきを感情マップに.
和久井さんはどうやったら行きづらい場所に行けるか、いつも楽しみながら考えている

アトリエでフィールドワークの気づきを整理
自動販売機で使った伸縮棒を使って、ホワイトボードの感情の変化の位置を指示する和久井さん
気づきのメモが持ちきれない学芸員の藤川さん

今日のアートワークにはワイヤークラフトを使用.
「せまい」「低い」のネガティブワードが、ポジティブな「挑戦」に変わっていくという印象を形に

ワイヤークラフトを使ってアートワークに挑戦
アーサーさんのワイヤーワーク
和久井さんのワイヤーは地面にまで伸びている

第2ラウンドでは、紐やテープなどを使って大きく空間を使って実施.
和久井さんの「挑戦」は、道を上がったり下がったりと大きな運動を伴っている

第二ラウンドは、紐やテープを使って広い空間内にしつらえる
学生の谷津くんも参加
空間上に浮いているような色あざやかなオブジェたち
アートワークの中のアーサーさん
和久井さんも空間上に張られたテープの中から参加
オブジェ

「和久井さんには見え方の発見がある」とアーサーさん.
和久井さんは「逆に皆が自分に対して自分の知らない見方をしているんだ」と新鮮に感じたそう.

アーサーさんは今後、本制作に向けて数十回も茅ヶ崎を歩いていくことになる

今日の感想を述べる和久井さん
アートワークを見つめるアーサーさん

参加者プロフィール

和久井 真糸
エーラスダンロス症候群患者会/車椅子ユーザー
結合組織が弱いエーラスダンロス症候群と中枢神経が壊れる視神経脊髄炎という難病をもつ車椅子ユーザー。患者の生活環境向上をめざし活動するとともに、障害や難病の経験を元に講演会を積極的に実施。

アーサー・ファン
美術家/理化学研究所脳神経科学研究センター研究員
1972年米国生まれ。毎日の通勤や散歩の記憶を線で描き、インスタレーションや平面作品として展開。日常のありふれた行動を見直す事により、物事に対して新たな視点を持つ事を意識している。


第四回フィールドワーク&ワークショップ 参加メンバー

感覚特性者
和久井真糸(感覚特性:車椅子ユーザー)

表現者
アーサー・ファン(アーティスト)

コアメンバー
鎌倉丘星(株式会社インクルーシブデザイン・ソリューションズ取締役/弱視・車椅子)
久世祥三(エンジニア/アーティスト/湘南工科大学教員)
坂本茉里子(デザイナー/アーティスト)
藤川悠(茅ヶ崎市美術館学芸員)

サポーター&リポーター
野呂田純一(公財)かながわ国際交流財団 副主幹
谷津光輝(湘南工科大学総合デザイン学科 久世研究室)

記録
香川賢志(写真)
金明哲(映像)

〈企画〉茅ヶ崎市美術館
〈主催〉公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団/公益財団法人かながわ国際交流財団
〈協力〉湘南工科大学総合デザイン学科/㈱インクルーシブデザイン・ソリューションズ
〈関連事業〉MULPA(マルパ):Museum UnLearning Program for All/
      みんなで“まなびほぐす”美術館―社会を包む教育普及事業―
      マルパ特設サイト

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