2022年9月24日(土)− 10月16日(日)、豊中市立文化芸術センターにて、開催された展覧会「光さす間に」にて展示された《ステラノーヴァ》のご紹介です。
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photo: Kenji Kagawa / Performance: Tomoyo Okada, Chiaki Ishigami
〈展覧会キャプションより〉
出会い交差する
コロナウイルスによるパンデミックにより、人と会ったり話したり、何かに触れることも敬遠されるようになって3年以上が経つ。2015年の制作当時は、まさか世界がこのような状況になるとは思ってもみなかったが、この作品は、深淵な宇宙空間の中、互いに話したり触れ合うことが叶わない2つの星が、音によってコミュニケーションを取ろうとする様子をイメージして構成している。
ステラノーヴァは「新星」という意味を持つが、実際には、すでに活動を終えた暗い星が、他の星の接近によって明るく輝く現象のことをさす。その様子は、地球からは新しい星が生まれたかのように見えるのだそうだ。この作品における「ステラノーヴァ」は、人が他者との出会いによって新しく生まれ変わっていく時の音の現象のことをさしている。
《ステラノーヴァ》は、「光さす間に」展に出展された5作品のうち、4番目に構成された作品です。
豊中市立文化芸術センターの大ホールは、木の暖かさを感じられる構造ながらも、どこか深淵な宇宙をイメージさせる佇まいです。ステージから客席を見上げた時に見える客電照明も、どこか星の並びのように配置されています。
この作品は、二人の体験者が互いに出会い、手探りでコミュニケーションをとってみることで、空間内の光や音にも変化が起こっていく作品です。二人の間に起こる相互作用は、どの瞬間をとっても同じものはありません。広大な宇宙に一人ぼっちの物寂しさや、誰かが近づいてきた時のドキドキ感や気恥ずかしさも、その人だけの音を現す要素となっていきます。
MATHRAX