2019年の夏に茅ヶ崎市美術館にて開催された展覧会「美術館まで(から)つづく道」。展覧会に至るまでのリサーチとして茅ヶ崎でのフィールドワークを行った様子を紹介しています。


▶︎ 関連記事:「美術館まで(から)つづく道」にいたる道


2018年3月25日の第二回目は、そよちゃんという2才の子とそのお母さんの美帆さんと共に茅ヶ崎を歩きました。表現者は、画家の原良介さんです。この日は、茅ケ崎駅前の濱田屋さんでお弁当を買い、雄三通りを通って美術館に向かってみます。

フィールドワークやワークショップの様子は、茅ヶ崎市美術館のブログでも詳しく紹介されていますので、ぜひそちらもご覧ください。(記事の下にリンクを記載しています)

photo: kenji kagawa

そよちゃんの乗るベビーカーを押す美帆さん

そよちゃんのお父さんでもあり画家の原良介さん

2才のそよちゃん

お弁当を選んでさっそくフィールドワークに突入

茅ヶ崎駅南口駅前でお弁当を買っていく
歩きたそうなそよちゃん
ベビーカーを降りて
ポールにしがみつく
皆を先導して歩く

bowl market juice & deli
誰しもこの高さの目線のころがあったと思うと感慨深い

美帆さんがジュース屋さんで注文
色鮮やかなジュース
お店の中の石のディスプレイに夢中になるそよちゃん

雄三通りから一本中の道に入る

大通りを入って小さな道へ
車も通るので、ベビーカーとそよちゃんを引っ張りあげる美帆さん

発見するもののサイズが違う

メダカ
地面に落ちている青い色のゴミ

階段の一段一段が大きく見える

階段を見つける
美帆さんを誘う
ほっこりと眺める参加者たち

アリにびっくりして踏み潰してしまう

蟻を見つける
枯葉をひろう
皆がそよちゃんと同じものを見る
突然、元気になる
緑地へ一直線

松ぼっくりを発見

松ぼっくりを発見し美帆さんにも渡す
松ぼっくりを白くするために水道で洗う
松ぼっくりを握ったまま緑地の坂を上り下りする
道なき道を楽しむ
緑地にポツンと置かれたベビーカー
濱田屋さんのお弁当とジュース
美術館の入口前でお弁当

フィールドワークの気づきを小さなアートワークに.
共感のための感情マップを作成していく

美術館のアトリエでのワークショップ開始
フィールドワーク中の気づきを感情マップに貼り付ける
そよちゃんの様子は美帆さんが判断する
キーワードの候補を書き出す

そよちゃんの階段や坂を登ったり降りたりする姿から
「自由な空間での負荷が好き」という言葉が出てきた

キーワードは「自由な空間での負荷が好き」
そよちゃんもホワイトボードに書く

今回はクリアファイルと絵の具を使ってアートワークに挑戦

絵の具を使ってキーワードを表現してみる
画家の原さんは筆を箸のように使っている
MATHRAXは手を使って描く
そよちゃん、どうですか?
神奈川国際交流財団の野呂田さんも参加

それぞれのアートワークを共有したら
すかさずもう一ラウンド

全員のイメージをコラージュしテーブルの上で再構成する
それぞれのイメージが重なる

原さんは斜面の負荷をピンクとグリーンのグラデーションに.
このフィールドワークがどのように形になっていくのか期待が膨らむ

2回目のセッション
そよちゃんも一緒に描く
原さんの絵はグリーンとピンクがグラデーションを作っているイメージ
手がキャンパスになるそよちゃん

参加者プロフィール

原 そよ
2 歳の子(当時)

原 美帆
母親/ベビーカーユーザー

原 良介
画家
1975年神奈川県生まれ。複数の時間や異なる空間を一つのキャンバスに描く絵画作品を制作。事象を概念的要素のみで描くことを試み、絵を描くことは次元の移動を可能にするという意識で制作している。


第二回フィールドワーク&ワークショップ 参加メンバー

感覚特性者
原そよちゃん(2才の子/感覚特性:小さな子)
原美帆さん(そよちゃんのお母さん)

表現者
原良介(画家)

コアメンバー
鎌倉丘星(株式会社インクルーシブデザイン・ソリューションズ取締役/弱視・車椅子)
久世祥三(エンジニア/アーティスト/湘南工科大学教員)
坂本茉里子(デザイナー/アーティスト)
藤川悠(茅ヶ崎市美術館学芸員)

サポーター&リポーター
野呂田純一(公財)かながわ国際交流財団 副主幹
岡崎凌大(湘南工科大学総合デザイン学科 久世研究室)

記録
香川賢志(写真)
金明哲(映像)

〈企画〉茅ヶ崎市美術館
〈主催〉公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団/公益財団法人かながわ国際交流財団
〈協力〉湘南工科大学総合デザイン学科/㈱インクルーシブデザイン・ソリューションズ
〈関連事業〉MULPA(マルパ):Museum UnLearning Program for All/
      みんなで“まなびほぐす”美術館―社会を包む教育普及事業―
      マルパ特設サイト

 ▷ 関連記事:茅ヶ崎市美術館「美術館までつづく道」レポート5
 ▷ 関連記事:茅ヶ崎市美術館「美術館までつづく道」レポート6

 
 
MATHRAX